08.09.24, 21:22

摂食・嚥下について

先週の土曜日に障害者歯科研修の最後の講習会があり、診療を少し早く終了して宮崎に行ってきました。

1回目はこれからの障害者歯科診療や宮崎県の障害者歯科の現状についてで

2回目は開業医と障害者歯科診療、開業医と在宅歯科診療、

3回目は障害児の歯科診療

とあって、いずれもこれから必要な分野で、特に3回目などは
泣くお子さんの診療にも役立つお話しなどでした。

そして、4回目の今回は高齢者の摂食・嚥下障害の評価と訓練について。

現在では、少しでも誤嚥(食道ではなく、食べものが気管に入ってしまうこと)などがあると、経口栄養ではなく胃からの経管摂取になったりして、他の機能が低下していく方が多いという現実があります。

もちろん、摂食・嚥下障害があると

①、誤嚥性肺炎や窒息

②、脱水・低栄養

③、食べる楽しみの喪失

などの問題もあるため、無理に経口摂取とはいかないかもしれませんが、ただ一律にダメというのではなく、その方の状況

Ⅰ.意思の疎通はできるか?
Ⅱ.深呼吸ができるか?
Ⅲ.異常にやせていないか?
Ⅳ.異常な円背(腰の曲がり)はないか?
Ⅴ.首は普通に動くか?
Ⅵ.声は普通にでるか?
Ⅶ.普通にしゃべれるか?
Ⅷ.流涎(よだれ)や痰(たん)はないか?
Ⅸ.口は普通にきれいか?

などのいろいろな機能から総合的に判断されるべきである、という考えで、もっともなことですが、現実はそうではないようで。。。

で、ここで内視鏡を使用して口腔内で食べものがどういう風に嚥下されるかということを実演でみたのですが、健康な自分たちでも誤嚥する可能性は十分にあり、また各個人によって嚥下の機能もさまざまだと感じました。

また首の位置や背中の丸め方、舌の使い方によっては普段意識なく、

“ 食べものを飲み込む ”

という当たり前の行為がこんなにも難しくなるのか?と考えさせられました。

これからのさらなる高齢化社会では、この摂食・嚥下障害というのは重要な問題であるのと、これからはチームで歯科医師(会)や一般の施設とのさらなる連携が必要だと強く感じました。

勤務している時には、あまり考えていなかった領域なのですが、開業してからは、歯科医師会での公衆衛生委員で口腔ケアの仕事なども担当するようになり、少しずつ興味がわくと同時に、重要課題だと考えます。

通常の診療以外の、今回の障害者や高齢者の方たちの診療も少しずつでもこれからの診療に活かしていきますので、応援よろしくお願いいたします。^^
posted by 院長   歯にいい話(一般歯科)    

08.09.15, 17:48

かみ合わせの重要性

先週の日曜は 横浜で開業されている 續先生 のセミナーが鹿児島の歯科医師会館でありましたので、行ってきました。

前日は姪っ子の1歳の誕生会を国分でして泊まっていたので、そこからJRで30分くらい。

この先生のスプリント(顎関節症に用いるマウスピース様のもの)の著書を勤務医時代に読んだことがあり、感動して開業前にそんなに分厚くないものですが、一冊をまとめ上げたこともあります。

噛み癖ってだいたいすべての人にあるのですが、極端に強い人や何かのきっかけで噛み癖側が変わってしまう人などもいます。

この噛み癖の影響が、お口だけにとどまらず、顔から全身へかけて影響し、そのバランスを保っているという考えです。

例えば、お口の中では

①、舌の容量の違い(左右差)・傾き
②、咬合平面(上の歯の先端を結んで出来る平面)の傾き
③、歯軸(各歯の中心線)の傾き

などで、口以外では

①、眉の傾き
②、眼の開き具合の左右差
③、鼻中隔(鼻筋)の傾き
④、口唇の傾き
⑤、オトガイ(下顎の先端)の傾き
⑥、下顎角(えら)の張り具合の左右差
      
      ↓

⑦、肩の傾き(高さの左右差)
⑧、腰の傾き(高さの左右差)
⑨、足の開き具合

などが、すべて関連しているというものです。

テレビに映るタレントの方の中にも、この方は少しこういう状態だから、噛み癖はこっちだろうな?などという見方もしますし、必要があれば、患者さまに顔面や全身の写真も撮影して説明したりしています。

例えば、

1本の歯の被せ物(もしくは部分的な詰め物)でも、噛み合わせが変化して、うつ状態から精神的に落ち込んだり

患者さまが高いという部位を、原因もハッキリしていない状態で、噛み合わせを削って調整したりして噛み合わせが低くなることにより精神不調和や不定愁訴(頭痛や肩こり、腰痛など)がでてきたり

などの可能性があるということです。

それくらい、噛み合わせは全身(心と体)の健康などにとっても重要なのです。

この考え方は霧島会(都城市の永井先生主宰)の考えでもあり、口腔内全体の健康から全身的な健康をという一口腔単位での包括的な治療をすすめる方針につながっています。

自分の診療方針には、

できるだけ侵襲の少ない診療を!

というのがあるのですが、これは後戻りの出来る処置を優先して処置するという考えからです。

歯を削ったり、神経を取り除いたり、歯を抜歯したりというのは後戻りできない処置です。

以前は顎関節症の治療というと、理想的な噛み合わせにするために全部の歯を削ったり、被せたりして自費治療でしていた時代もあったみたいですが、最近はスプリントなどで顎の位置を噛む筋肉の無理しない位置に誘導して筋肉の緊張を取り除いたり、レーザーで噛む筋肉の緊張を取り除いたりする方法が優先されます。(当医院でもこの方針です。)

ただ、患者さまの中には痛みがあるのに何も削ったりしてくれないの?などと言われる方もいらっしゃると思います。

しかし、歯の痛みには関連痛(歯以外が原因の場合)もありますし、歯周病によるものもありますし、歯自体でも体調、天候、気圧なども厳密には関連する場合もあるのです。

それで、“ 最近、ココの歯が痛い ”

と言われた場合でもレントゲンや他の診断ではっきりむし歯などがない場合には、噛み合わせの影響(歯ぎしりなども含めて)も考えられますので。。。とお話しした上で、噛み合わせを診るために歯型だけ採る場合もあります。

すると次回は何ともない場合も結構あるのです。

特に歯周病や歯ぐきの腫れ、親知らずの影響などの場合は、疲れたり、風邪を引いたりなどで抵抗力が落ちることにより、細菌の数は同じでも相対的に細菌の力が強くなったようになるのです。

ですから、抵抗力が戻ると、以前の状態に戻ったりするのです。

あくまでも侵襲の少ない治療を!というのは大事なのです。

これからもこの方針は変わりませんので、何か治療方針などで分からないことなどはご質問下さい。
posted by 院長   歯にいい話(一般歯科)    

08.09.06, 00:14

お口とメタボの関係は?

最近は、いろんな場所で

“ メタボリックシンドローム ”

という言葉を見たり、聞いたりすると思いますが、あまりお口と関係があるのは知られていないようです。

まず“ メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群) ”というのは、

肥満・高血糖・高血圧・高脂血症など

が重なった状態のことをいい、これらの危険因子が重なると、

脳卒中・心筋梗塞・糖尿病 などの生命に関わる病気になる確率がとても高くなります。

そこで、この“ メタボ ”と深く関係しているのが食生活です。

たとえば、食べ過ぎは肥満や体脂肪の蓄積を招くことにより、“ メタボ ”の可能性を高めます。

そこで、よく知られていることだとは思いますが、この肥満を日常的に予防する方法として食べものを「よく噛む」ことが挙げられます。よく噛むことで満腹感が得られますので、食べ過ぎを抑えることが出来るのです。

そのためには、健康な歯がまず欠かせません。

つまり、お口の健康が全身の健康を保つ上でその基礎になっているのです。

最近では、その歯を失う原因として「むし歯」よりも「歯周病」が多くなってきています。

しかし、糖尿病や肥満のある人には歯周病が多く、また逆に歯周病にかかっていると、この菌の毒素が体内に入り、糖尿病を発症するとも言われていて、双方向の関係があるようです。

この歯周病は、しっかりとケアをすれば進行を防げる病気ですが、初期のうちは自覚症状がなく、気付いたときには手遅れという場合もあります。

1番の予防はセルフケアで毎日の正しいブラッシングが大事になります。ただ、ご自身では磨いたつもりでも、実は磨けていない場合も多いのです。

そこで、プロフェッショナルケアとして、年に2~3回は歯科医院での定期健診を受けて、ご自身では取りきれないプラークの塊のバイオフィルムや歯石を取り除くことが必要になってきます。

また、セルフケアを高めるために、ブラッシングの仕方やデンタルフロス・歯間ブラシなどの正しい使い方もご相談してみてください。

肥満予防は、バランスのよい食事をしっかり噛むことからです。

よく噛むと、だ液もよく分泌され消化も助けますし、ゆっくり噛むと、胃のセンサーが満腹サインを出すので食べ過ぎるということも避けられます。

“ メタボリックシンドローム ”の予防につなげるためには「歯の健康」を保ち、いつまでもご自身の歯で噛めるようにしていきましょう!!
posted by 院長   歯にいい話(一般歯科)    
end of entries.