よく見える@@・・・2

昨日は鹿児島であったマイクロスコープ(歯を治療するときに4~30倍くらいまで拡大して診る顕微鏡のようなもの)のセミナーに行ってきました。

今回の参加者は10名くらいで、まだまだ浸透していない

“ マイクロスコープ ”

ですが、将来的には確実に必要になるものではないかな?と自分は思っています。

今は、“ ルーペ ”という2.5倍に拡大してみるメガネのようなものをかけて診療していますが、開業以来この診療スタイルなので、裸眼では見にくい感じになっています。
(もちろん、これを使用することによる差額などは頂いていません。)

ただ、慣れてくると2.5倍では物足りなくなってきて、来年からは6倍に拡大するルーペに変更する予定です^^

これを使うと何が違うかというと、

・根の治療するときに根の先の近くまで見えて状況が分かりやすかったり

・虫歯を削るときにもよく見えるので、必要最小限の虫歯部分のみ除去できたり

・被せ物をする前の周囲の歯を削る時に、歯と歯ぐきの境目がよく見えるので、歯と被せ物の適合性が上がったり

・歯石を取るときなどでも、歯ぐきから出血させずに痛くなく歯石をとれたり

など患者さまにとってもメリットは多いです。

欠点??としては、精密な治療をするため処置時間がかかる、などはあります。

ただ、今は自分1人がこれを使用しているので将来的には、衛生士さんも2.5倍くらいのルーぺを使用して診療してもらう予定にしています。

白いワイヤーってないの???

一般的に矯正治療っていうとワイヤーを使っての矯正を思い浮かべると思います。

当医院では、永久歯がすべて生えそろう15歳くらいまでは、

“  床装置(しょうそうち)  ”

と呼ばれる中にネジが埋め込まれている取り外し可能な装置で、永久歯が生えるスペースを作るために顎を広げたり、6歳臼歯を奥へ動かしたりする場合もあります。

また、成人の女性の方などで、多少治療期間や治療費用はかかってででも(もちろん症例によって変わりますが。。。)、ワイヤーが見えるのは絶対イヤ!!という場合などは

“  取り外し可能な透明のマウスピース  ”

( ※ 画像1参照 )

を使用して矯正したりする場合もあります。このマウスピース矯正は、当医院では

「 ストレートライン 」矯正


というシステムを行っていますが、同じようなマウスピースを使用したもので

「 インビザライン 」、「 クリアライナー 」、「 アクアシステム 」などもあります。

さて、本題のワイヤー矯正ですが、これはワイヤーが直接歯にくっ付いているわけではなく、ワイヤーを通すために

“  ブラケット  ”

というものを歯に歯科専用の接着剤で歯に付けてワイヤーを通してから、モジュールというゴムなどで固定していきます。

このブラケットは大きく分けて3つあり、当医院では

・メタルブラケット(金属の銀色)

・プラスティックブラケット(半透明色)

・セラミックブラケット(歯と同じような白色)

があります。患者さまの要望により選択していただきますが、
通常であれば、メタルブラケットを選択します。

プラスティックやセラミックは噛み合わせによっては脱落せずに欠けやすいなどの欠点もありますが、審美的にはまったく違いますので成人の方などはこちらを選択される場合が多いです。

( ※ 画像2参照 )

また、一方のワイヤーですが、最近までは形状記憶のニッケル・チタンのものやコバルト・クロムなどの金属のワイヤーだけだったのです。

ココ何年かで、白いワイヤーも登場したのですが、ワイヤー全面にコーティングしてあるものばかりだったので、その分抵抗が大きくなり、治療期間が長くなったり、コーティングがはがれたりして治療期間全般を通しての使用には、あまり向いているとはいえませんでした。

たとえば、結婚式前や大事な用事がある場合などの、本来の歯を動かすというよりは、今まで動かしたことが無駄にならないようにという一時的な使用に限定という感じでした。

ただ、最近アメリカの矯正材料メーカーのTPから発売された

 “  エステティックワイヤー ”

というものは見える面の前面にのみコーティングされているため、治療期間などでも本来のワイヤーと同じで、治療全般に使用できるとのことで、当医院でも取り扱いを始めました。

これからは、

ワイヤー矯正でも審美的に!!

( ※ 画像3参照・・・セラミックブラケットとエステティックワイヤーの組み合わせです。)

目立たなく治療できるようになりましたので、分からないことなどはお電話でも、メールででもご質問下さい。^^

これからも、いいと思ったものは可能な限り、導入していきたいと考えていますので、ご意見などございましたらよろしくお願いいたします。

大人の虫歯って?

よく虫歯というと、子供のころのイメージが強いですが、大人になってからの虫歯には大きく2つの特徴があります。

まず1つは  “ 二次う蝕 ” といって、治療した歯が、また虫歯になること。。。

治療後のつめ物やかぶせた冠のすき間から発生し、つめ物やかぶせ物と歯の間は、プラークがつきやすく、虫歯が再発しやすいから。

これになる確率を少しでも下げるには、もちろんきちんとしたつめ物やかぶせ物がきちんと製作された上での話しですが、つめ物やかぶせ物の材料を生体親和性のよいものを選択するというのも大事です。

保険の材料でも、保険外の材料でも、セットしてしばらくは見た目も適合状態もほとんど変わらないくらいには仕上げることができます。

ただ、長い年月の間では、変色しやすかったり、耐久性が弱かったり、適合性が悪くなったりなどの  “ 差 ” は少なからず出てくる場合が多いです。

価格(負担金)が高いのには、こういう理由があります。

どうしても見た目だけで判断しやすいですが、そういう利点、欠点を患者さまにきちんとお伝えした上で、あとは患者さまに選択していただきます。

話しが、少し逸れましたが、大人の虫歯の特徴の2つめは

“ 根面う蝕 ” といって、歯ぐきが下がって露出した根にできる虫歯。

この部分はエナメル質に比べると、軟らかく弱いので、再石灰化も起こりにくいのですが、では、なぜ歯ぐきがさがってしまうのかというと。。。間違ったブラッシングなどで力が強すぎたりなどすると、起こりやすいのです。

そうしてプラークもたまりやすくなり、歯周病の原因にもなってしまいます。

これら2つの “ 大人の虫歯 ”の発生を抑えるのも正しいブラッシングや生活習慣の改善などのセルフケアと歯科医院での虫歯や歯周病の検査、歯石除去などのプロフェッショナルケアで、発症を未然に防いだり、治療を最小限にとどめたりすることができるので、

年2~3回の定期健診受診      これが大事なのです。

歯医者さんっていうと、

  痛くて治療期間が長い~

っていうイメージもあると思いますが、それは

  悪くなってから。。。痛くなってから。。。

の来院だとどうしてもそうなってしまいますが、定期健診を受診していると、もちろん虫歯などがなければ2,3回で終了になる場合が殆どです。

歯医者さんへは、痛くないときにこそ、これからのセルフケアでの注意点などをいろいろ相談に行ってみるべき!!ですよ^^



 

歯をケガしたら 。。。1

本日、外傷(友達とぶつかって永久歯がグラグラする!)で来られた小学2年生のお子さんがいらっしゃったので、外傷について少し書いてみます。

歯のケガをしたことがある人って以外と多いのではないでしょうか?

特徴としては、部位でいえば圧倒的に前歯が多いのですが、症例は実にさまざまで

   割れる!

   折れる!

   抜ける!

など見ただけで分かるものやしっかりした検査をしないと分からないものもあり、見た目だけで判断できないのです。

それで、大事なのは歯をぶつけたりした時には、まず歯科医院で検査をしてもらった方がいいです。

ケガだと知らずにそのままにしておくと、あとで痛みがでたり
変色したりすることがありますので。。。

今回は大まかなケガの種類を分類して次回以降で少しずつ1つ1つについて書いていきますね!^^

<割れた!&折れた!の場合>

こういう場合でも、若いだけに治る可能性も高いので、できるだけ神経は取らず、可能な限り被せずに治療を心がけています。折れた歯のカケラがあったら、歯科用接着剤で元通りの形に出来る場合が多いので、お持ち下さい。^^

(1)亀裂・・・ヒビが入っただけで症状もなし。(たまに水などがしみる場合あり。)

  → 経過観察

(2)エナメル歯冠破折・・・先端だけ小さく欠けた場合

  → コンポジットレジン(歯科治療用のプラスティック)で修復

(3)単純歯冠破折・・・先端がポキリと折れた場合で神経に影響がない場合

  → 経過観察後にコンポジットレジンで修復

(4)複雑歯冠破折・・・折れて神経が見えている場合

  → しみるなどの症状がだいぶ強くても、神経が生きている場合は、神経の見えている部分を少しだけ取り除き、傷口を薬で保護した後に、折れた歯のカケラを元のところに戻して接着。
(カケラがない場合でも、コンポジットレジンで元の歯の形に近付けることができます。)

(5)歯冠ー歯根歯折・・・比較的根の上の方で折れていた場合
  
  → 骨の中で歯根が折れていても、神経が生きていた場合は元通りの位置に戻したあと、固定すると神経も生きたままの状態で大丈夫な場合もありますが、通常は神経を取り除く処置が必要な場合が多いです。

  → 歯ぐきの中のほうで折れていて被せ物も出来ないような場合は神経の処置をしてから隣の歯を利用して小矯正で歯を引っ張り出して、被せていく場合もあります。(抜歯になる場合もあります。)

(6)歯根歯折・・・根の先端の方で複雑に折れている場合

  → 抜歯になる場合が多いです。

これは、あくまでも治療例で、レントゲンでの状況などで処置が変更になる場合もありますので、まずは歯科医院でご相談下さい。。。

ちなみに今回の患者さまのようにグラグラしている場合は次回詳しく書く予定です。

               

結婚式前に

今、挙式を1週間後に控えたカップルが2人そろって来院されています。

まず、新婦にあたる方が歯のクリーニング希望とのことで、ご自身のご予約をとり、その時に新郎になる方の歯のクリーニングも一緒にご予約をとっていきました。

結婚式となると、たいがいの人は一生に一度??の晴れ舞台!
というわけで、少しでも白い歯で!という感じでしょうか?

今回の場合に限らずに、まず歯の色が気になる場合は、歯石除去や着色除去から行います。

その時点で、まったく気にならなくなる方も多いです。
(特にタバコを吸われる方でヤニなどが原因などの場合)

この後でも少し気になる方で、前歯などに

“ レジン ” 

という白い詰め物をしていて、この部分の着色が原因の場合で虫歯でない場合は、このレジンの部分のみを研磨すると、それだけでもだいぶ違います。
実際虫歯などの場合は詰め替えたりします。

ただ、一生のうちでは、何回も詰め替えていかないといけない場合が多いので、前歯の歯と歯の間や唇面に虫歯を作らないというのは、(もちろん目立たないように、できるだけ裏から削るなどの歯医者サイドも含めて。。。)とても大きなことだと考えます。

(特に神経を取り除く処置後は歯の色が、他の歯とは明らかに違ってきます。)

それでも気になる場合などに限り、

“ ホワイトニング ” や “ 被せ物などによる改善 ” をおススメしています。

被せ物といえども、

・ラミネートベニアのように張り合わせるものや

・オールセラミッククラウン(最近ではジルコニアも)

・ハイブリッドセラミッククラウン(レジンも少し混入)

などありますので、かかりつけで納得いくまでご相談した方がいいです。

また、結婚式が近い場合などは、応急処置的に

・ホワイトコート(歯のマニキュアのようなもの)

もあります。これは、一時的に歯を白くしたかったり、金属の被せ物を白い被せ物にした場合のイメージをみたかったりする場合などに最適です。約1~3ヶ月程度持ちますが、永久的ではありません。歯科医院で簡単に剥がしてもらえます。

うちでも取り扱っているので、気になる方はスタッフまでお尋ね下さい。

HPの審美のページでも見れるように準備しておきます。

ところで、始めにお話した患者さまは、今週末が挙式ということでしたが、その後も治療に通うということでしたので、結婚式のお話しも楽しみです。。。^^

スタッフ新加入!

先週の木曜日から新しいスタッフの方が加わりました。

今の現状では、午前中は衛生士さんが2人と自分の3人で中はやっているのですが、患者さまの待ち時間の短縮とより充実したサービスが行えるように歯科助手の方に来ていただきました

当医院では、歯型を採るときや、詰め物・被せ物をセットするときには2人で組んでやっているのですが、

①その歯型をとる材料の印象材というのを練ってもらったり、

②その型を採った材料に石膏という模型の材料になるものを流し込んでもらったり、

③詰め物・被せ物をセットするときのセメントというのを練ってもらったり

する作業を主に行ってもらう予定です。他には

④初診の患者さまの問診について、より詳しくアンケートでご希望をお尋ねしたり

⑤歯周病の検査の記録をとってもらったり、

⑥患者さまの入れ替わりの基本セットを準備・片付けしたり、

⑦使用後の道具の滅菌・殺菌・消毒の準備をしたもらったり

などです。

自分の方針で、患者さまのお口の中を触ることはありません。

それは、衛生士さんと歯科医師に業務が限られています。

また、午後からは受付・事務業務のお手伝いもしてもらいます。

これからも、患者さまへのサービス向上なども含めると、あと1人、衛生士さんのスタッフを加入して万全の態勢にしていく予定です。

まだまだ、開業1年半で足りない点も多々あるかと思いますので、皆様からのご意見も承りますのでよろしくお願いいたします。^^

歯がなくなるとどうなるの?

まず、日本人の平均寿命って世界一なのはよく知られていることですが、80歳での平均の歯の数は約10本と歯の寿命はあまり長くはないのです。

最近では、寿命が長ければいいというものではなく、健康に長生きする、QOL(生活の質)の高い老後を過ごすことが大事だと言われるようになってきました。

健康で長生きするためには、多くの歯がそろっていることが根源的な条件とも考えられます。

歯がなくなってしまうと、歯並びにはさまざまな変化が起こってしまいます。

それは、たとえ1本の歯でも失うと、互いに連続していたバランスが悪くなり歯が動き始める(傾いてくる)ので、食べた後の食物が挟まって停滞しやすくなり、その結果むし歯や歯周病にもなりやすい環境になってしまいます。

さらに前後だけでなく、上下にも歯は動いてきて噛み合わせも変化してきます。

これらの変化は緩やかに長い年月をかけて起こるため、無自覚に過ごしてしまい油断してしまうのです。

つまり、痛みがなく、噛むことの機能にはそれほど不便さを感じないため変化に気付かないのです。

歯を失った側では噛みにくいので、自然と歯のそろっている反対側で噛む様になってきますが、これは噛みやすい側を顎が判断しているのです。
歯をさらに失っていくと最後には顎を動かしながら、最も食べやすい場所を探すようになるので、顎の関節や周囲の筋肉にも無理がきて下顎の位置が偏位することもあるのです。

そうなると、口腔内だけでの症状にはおさまらずに、その顎のバランスを修正するために、首・肩・腰の位置にも影響したりして全身的にも影響を及ぼしてきます。


1本の歯を失っても、あまり不便は感じないと思いますが、今までの噛み合わせが変化しないようにするためには、何らかの処置を早めにすることをお勧めいたします。


分からないことなどは、納得いくまで担当の先生とお話ししてみると、方法は1つではないので何らかの解決方法が見つかると思います。まずはご相談下さい。

摂食・嚥下について

先週の土曜日に障害者歯科研修の最後の講習会があり、診療を少し早く終了して宮崎に行ってきました。

1回目はこれからの障害者歯科診療や宮崎県の障害者歯科の現状についてで

2回目は開業医と障害者歯科診療、開業医と在宅歯科診療、

3回目は障害児の歯科診療

とあって、いずれもこれから必要な分野で、特に3回目などは
泣くお子さんの診療にも役立つお話しなどでした。

そして、4回目の今回は高齢者の摂食・嚥下障害の評価と訓練について。

現在では、少しでも誤嚥(食道ではなく、食べものが気管に入ってしまうこと)などがあると、経口栄養ではなく胃からの経管摂取になったりして、他の機能が低下していく方が多いという現実があります。

もちろん、摂食・嚥下障害があると

①、誤嚥性肺炎や窒息

②、脱水・低栄養

③、食べる楽しみの喪失

などの問題もあるため、無理に経口摂取とはいかないかもしれませんが、ただ一律にダメというのではなく、その方の状況

Ⅰ.意思の疎通はできるか?
Ⅱ.深呼吸ができるか?
Ⅲ.異常にやせていないか?
Ⅳ.異常な円背(腰の曲がり)はないか?
Ⅴ.首は普通に動くか?
Ⅵ.声は普通にでるか?
Ⅶ.普通にしゃべれるか?
Ⅷ.流涎(よだれ)や痰(たん)はないか?
Ⅸ.口は普通にきれいか?

などのいろいろな機能から総合的に判断されるべきである、という考えで、もっともなことですが、現実はそうではないようで。。。

で、ここで内視鏡を使用して口腔内で食べものがどういう風に嚥下されるかということを実演でみたのですが、健康な自分たちでも誤嚥する可能性は十分にあり、また各個人によって嚥下の機能もさまざまだと感じました。

また首の位置や背中の丸め方、舌の使い方によっては普段意識なく、

“ 食べものを飲み込む ”

という当たり前の行為がこんなにも難しくなるのか?と考えさせられました。

これからのさらなる高齢化社会では、この摂食・嚥下障害というのは重要な問題であるのと、これからはチームで歯科医師(会)や一般の施設とのさらなる連携が必要だと強く感じました。

勤務している時には、あまり考えていなかった領域なのですが、開業してからは、歯科医師会での公衆衛生委員で口腔ケアの仕事なども担当するようになり、少しずつ興味がわくと同時に、重要課題だと考えます。

通常の診療以外の、今回の障害者や高齢者の方たちの診療も少しずつでもこれからの診療に活かしていきますので、応援よろしくお願いいたします。^^

かみ合わせの重要性

先週の日曜は 横浜で開業されている 續先生 のセミナーが鹿児島の歯科医師会館でありましたので、行ってきました。

前日は姪っ子の1歳の誕生会を国分でして泊まっていたので、そこからJRで30分くらい。

この先生のスプリント(顎関節症に用いるマウスピース様のもの)の著書を勤務医時代に読んだことがあり、感動して開業前にそんなに分厚くないものですが、一冊をまとめ上げたこともあります。

噛み癖ってだいたいすべての人にあるのですが、極端に強い人や何かのきっかけで噛み癖側が変わってしまう人などもいます。

この噛み癖の影響が、お口だけにとどまらず、顔から全身へかけて影響し、そのバランスを保っているという考えです。

例えば、お口の中では

①、舌の容量の違い(左右差)・傾き
②、咬合平面(上の歯の先端を結んで出来る平面)の傾き
③、歯軸(各歯の中心線)の傾き

などで、口以外では

①、眉の傾き
②、眼の開き具合の左右差
③、鼻中隔(鼻筋)の傾き
④、口唇の傾き
⑤、オトガイ(下顎の先端)の傾き
⑥、下顎角(えら)の張り具合の左右差
      
      ↓

⑦、肩の傾き(高さの左右差)
⑧、腰の傾き(高さの左右差)
⑨、足の開き具合

などが、すべて関連しているというものです。

テレビに映るタレントの方の中にも、この方は少しこういう状態だから、噛み癖はこっちだろうな?などという見方もしますし、必要があれば、患者さまに顔面や全身の写真も撮影して説明したりしています。

例えば、

1本の歯の被せ物(もしくは部分的な詰め物)でも、噛み合わせが変化して、うつ状態から精神的に落ち込んだり

患者さまが高いという部位を、原因もハッキリしていない状態で、噛み合わせを削って調整したりして噛み合わせが低くなることにより精神不調和や不定愁訴(頭痛や肩こり、腰痛など)がでてきたり

などの可能性があるということです。

それくらい、噛み合わせは全身(心と体)の健康などにとっても重要なのです。

この考え方は霧島会(都城市の永井先生主宰)の考えでもあり、口腔内全体の健康から全身的な健康をという一口腔単位での包括的な治療をすすめる方針につながっています。

自分の診療方針には、

できるだけ侵襲の少ない診療を!

というのがあるのですが、これは後戻りの出来る処置を優先して処置するという考えからです。

歯を削ったり、神経を取り除いたり、歯を抜歯したりというのは後戻りできない処置です。

以前は顎関節症の治療というと、理想的な噛み合わせにするために全部の歯を削ったり、被せたりして自費治療でしていた時代もあったみたいですが、最近はスプリントなどで顎の位置を噛む筋肉の無理しない位置に誘導して筋肉の緊張を取り除いたり、レーザーで噛む筋肉の緊張を取り除いたりする方法が優先されます。(当医院でもこの方針です。)

ただ、患者さまの中には痛みがあるのに何も削ったりしてくれないの?などと言われる方もいらっしゃると思います。

しかし、歯の痛みには関連痛(歯以外が原因の場合)もありますし、歯周病によるものもありますし、歯自体でも体調、天候、気圧なども厳密には関連する場合もあるのです。

それで、“ 最近、ココの歯が痛い ”

と言われた場合でもレントゲンや他の診断ではっきりむし歯などがない場合には、噛み合わせの影響(歯ぎしりなども含めて)も考えられますので。。。とお話しした上で、噛み合わせを診るために歯型だけ採る場合もあります。

すると次回は何ともない場合も結構あるのです。

特に歯周病や歯ぐきの腫れ、親知らずの影響などの場合は、疲れたり、風邪を引いたりなどで抵抗力が落ちることにより、細菌の数は同じでも相対的に細菌の力が強くなったようになるのです。

ですから、抵抗力が戻ると、以前の状態に戻ったりするのです。

あくまでも侵襲の少ない治療を!というのは大事なのです。

これからもこの方針は変わりませんので、何か治療方針などで分からないことなどはご質問下さい。

お口とメタボの関係は?

最近は、いろんな場所で

“ メタボリックシンドローム ”

という言葉を見たり、聞いたりすると思いますが、あまりお口と関係があるのは知られていないようです。

まず“ メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群) ”というのは、

肥満・高血糖・高血圧・高脂血症など

が重なった状態のことをいい、これらの危険因子が重なると、

脳卒中・心筋梗塞・糖尿病 などの生命に関わる病気になる確率がとても高くなります。

そこで、この“ メタボ ”と深く関係しているのが食生活です。

たとえば、食べ過ぎは肥満や体脂肪の蓄積を招くことにより、“ メタボ ”の可能性を高めます。

そこで、よく知られていることだとは思いますが、この肥満を日常的に予防する方法として食べものを「よく噛む」ことが挙げられます。よく噛むことで満腹感が得られますので、食べ過ぎを抑えることが出来るのです。

そのためには、健康な歯がまず欠かせません。

つまり、お口の健康が全身の健康を保つ上でその基礎になっているのです。

最近では、その歯を失う原因として「むし歯」よりも「歯周病」が多くなってきています。

しかし、糖尿病や肥満のある人には歯周病が多く、また逆に歯周病にかかっていると、この菌の毒素が体内に入り、糖尿病を発症するとも言われていて、双方向の関係があるようです。

この歯周病は、しっかりとケアをすれば進行を防げる病気ですが、初期のうちは自覚症状がなく、気付いたときには手遅れという場合もあります。

1番の予防はセルフケアで毎日の正しいブラッシングが大事になります。ただ、ご自身では磨いたつもりでも、実は磨けていない場合も多いのです。

そこで、プロフェッショナルケアとして、年に2~3回は歯科医院での定期健診を受けて、ご自身では取りきれないプラークの塊のバイオフィルムや歯石を取り除くことが必要になってきます。

また、セルフケアを高めるために、ブラッシングの仕方やデンタルフロス・歯間ブラシなどの正しい使い方もご相談してみてください。

肥満予防は、バランスのよい食事をしっかり噛むことからです。

よく噛むと、だ液もよく分泌され消化も助けますし、ゆっくり噛むと、胃のセンサーが満腹サインを出すので食べ過ぎるということも避けられます。

“ メタボリックシンドローム ”の予防につなげるためには「歯の健康」を保ち、いつまでもご自身の歯で噛めるようにしていきましょう!!